不倫慰謝料の金額は収入によって増減するのか
1 基本的に不倫慰謝料は相手の収入によって増減しない
結論からいえば、不倫慰謝料を請求する相手の収入が高いか低いかは、基本的に慰謝料の金額自体に影響しません。
不倫慰謝料は、不倫をされた側が被った精神的損害に対して支払われる損害賠償金であることが理由です。
もっとも、相手の収入が高い方が、低い場合に比べ、慰謝料が高くなる余地はあり、かつ支払いを受けられない可能性も小さくなります。
以下、不倫慰謝料請求の法的な仕組みと、相手の収入が高い方が有利といえる点について説明します。
2 不倫慰謝料請求の法的な仕組み
不倫慰謝料の請求は、法律的な表現をすれば、不法行為に基づく損害賠償金の請求です。
不倫慰謝料は、不倫をした配偶者と不倫相手によって、不倫をされた配偶者が有する平穏な夫婦生活を送る権利が侵害されたことで発生する、損害賠償金です。
そうなると、理屈の上では、不倫慰謝料は平穏な夫婦生活を送る権利の侵害の程度によって変わりますので、不倫をした配偶者や不倫相手の収入は関係がないことになります。
訴訟を提起して不倫慰謝料の請求をした場合、裁判所が慰謝料の金額を決定するにあたっても、通常、相手の収入は考慮しないようです。
3 相手の収入が高い方が有利といえる点
もっとも、不倫慰謝料を請求する場合、相手の収入が高い方が有利ではあります。
相手の収入が低く、財産もない場合には、そもそも不倫慰謝料を支払う能力が乏しいためです。
その結果、不本意ながら、支払いを受けられる金額まで慰謝料を下げざるを得ないということも、実際にあります。
また、場合によっては慰謝料を分割払いにすることもありますが、全額の支払いを受けるまでには長期間を要しますので、途中で回収ができなくなるリスクを負います。
相手の収入が高い場合には、早期解決のために慰謝料を高く設定しても合意に至る可能性が高くなりますし、その後、約束どおりに支払われる可能性も高いというのが現実です。